1.20.2013

チェロ・ソロ・イロイロ





 ちょっと前のコンサートになりますが2012年11月に家の母屋のパラッツォ・カッターネオというお屋敷で開かれたコンサートにチェリスト、ジョヴァンニ・ニョッキ(Giovanni Gnocchi)が異様なプログラムで挑みました。
 家の壁一枚挟んだ裏側のサロンで催され親しみを感じていたため、この投稿はブログを始めたらすぐに書こうと思っていました。
 工房からの帰宅途中に偶然チラシをみつけ、リハ中のミュージシャンに「チケットどこで買えますか?」と聞いたのがきっかけでした・・



演奏会は濃厚な2時間半、

1:J.Sバッハ 無伴奏チェロ組曲 5番
2:Henri Dutilleux(アンリ・デュティユー) SACHERの名による3つのストロフ
3:コダーイ 無伴奏チェロソナタ Op.8

 これら全てのソロ曲を最前列でプレイヤーの息吹を聞き、額の汗まで見えるほどに聴き入ってしまいました。

 もうお気づきかとも思いますがこれらの曲の共通点は”スコルダトゥーラ”、普通のドソレラではない調弦での演奏です。楽譜が示す音符と実際の楽器の音はもちろん違ってきます。
 最も有名なバッハの5番はドソレソと1番弦が全音低くなっています。本来ガット弦で弾かれたこの曲はテンションが下がる事でチェロのA線のきらびやかさを取って、独特の世界観を作り上げます。

 デュティユーのストロフは初めて聞きましたが1976年作曲の現代曲。調弦はシbファ#レラ。C線がかなり緩くはじいた時に音がにじむような感じです。高い集中力のいる器楽曲のソロ、今回彼が一番のっていた曲のようでした。youtubeでも何人かupしていますのでぜひきいてみてください。

 最後は大曲コダーイです。小生がはじめて聞いたのはヨーヨー・マの録音でしたがあまりの迫力に当時池袋の東武デパートのなかで立ちすくんだのを覚えています。まだCDshopでみな視聴していた時代です。調弦はシファ#レラ、開放でひいても何かが始まる予感にぞわっとします。プレイヤーも聴衆も緊迫感あふれる三楽章構成、コンサートが終わったのは夜の11時半、小生は興奮のあまり家についてからもなかなか寝付く事が出来ない有様でした。 
 隣席の子供は寝ながら頑張っていましたが7歳ぐらいの子に11時すぎてコダーイは・・


 ジョヴァンニ・ニョッキは音源のみですがyoutubeにもUPされています。

フェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni 1866-1924)のクルタセーレです。







 実はクラッシックではまれな”スコルダトゥーラ”ですが、ギターではオープンチューニング、ナッシュビルチューニングなど一般的なようですし、小生が制作するヴィオラ ダモーレなる楽器も時代や場所、曲によりチューニングは様々です。


 ちなみに天沢聖司くんのカントリーロードはバロック調弦ともいえる”スコルダトゥーラ”ではないでしょうか。楽譜はGでかいてあるそうですが、音はFです。

パラッツォ・カッターネオ(Palazzo Cattaneo)▶http://www.palazzocattaneo.com