4.29.2013

イタリア焙煎・エスプレッソ ~バール≠カフェテリア~










コーヒーの香り漂う
クレモナの隠れ家的カフェテリア

“ヴィットーリア”。






 私達が訪ねた時もぽつぽつとクレモナ人が来店しコーヒーを楽しんで賑わっていました。
 元々コーヒー豆の焙煎ショップから始まったこのお店。クレモナ商工会の公文書には1950年からその名前がありますが、始まりはそれ以前だったとも言われています。
数々のオーナーを経て、現代のオーナー、ジョヴァンニ・ピエトログランデのもと店舗の一部を建築士の兄弟とともに改装しカフェテリアスペースを作りました。




 






 スーパーへ行けばたくさんのメーカーのコーヒーが陳列してあります。そのほとんどはすでに煎って挽いてある粉状のものですが、コーヒー豆は焙煎してしまうと酸化がどんどん進んで、10日から15日くらいで味も香りも落ちてしまうとか。以外にも短い命です。



 この町の多くの人が毎日飲むコーヒーのはずなのにどんなものを口にしているか意外と知らない、とオーナーのジョバンニ。
コーヒーと一言に言っても煎り方、豆のブレンド、そして挽き方で大きく味も変わるし、時にはそれらのプロセスでコーヒーそのものをダメにしてしまうこともあると語ります。
彼は作り手の技量にその出来具合のほとんどがかかっているという直火焙煎を好みます。









 ブレンドする豆は世界各国から取り寄せているようで、コロンビア、コスタリカ、エチオピア、インド、ブラジル、インドネシア、グァテマラ…など様々です。
独自にブレンドし煎った豆はとても香ばしく、カフェテリアの中はコーヒーの香りでつつまれています。ここで以外な発見が・・・煎る前のコーヒー豆からは全く香りがしないのです・・・褐色にトーストされて初めてあの香りが生まれるようです。












 そういえば会話の中にたびたび出てくる「カフェテリア」という言葉。Barバールとはちょっとニュアンスが違うようですが…
「イタリアのコーヒー文化と言うと、立ち飲みで『グイッ!』と飲んでテーブルにコインを置いて去っていく。そんな感じでしょ?クレモナには大都市とは違う良さがある。昔はもっとみんなで一緒に働いて、イベントを企画してお祭りを催したりしていたんだ。このカフェテリアがそういう事を始めるキッカケの場になれると嬉しいよ」
みんなでコーヒーかこんで交流できる社交の空間=カフェテリアのアイディアです
こんな時代だからこそみんなで協力して町を盛り上げたい。彼のクレモナへの愛情が伝わってきます。











 レジの前の秤に張ったポスターも、地元の写真家とのコラボイベントのひとつでカフェテリアに写真家の作品を展示するそうです。他にも彼の頭のなかは考えている催し物でいっぱいです。










 今はまだここで焙煎されるコーヒー豆のほとんどはイタリア国内への販売だそうですがもしかしたら日本でお目にかかる日も来るかもしれません。


イタリアの若き経営者の熱意に触れた貴重な一日でした。







Chi(清水ちひろ) https://www.facebook.com/hajaandchi?ref=hl

4.01.2013

ラテンアメリカ・バロックのかほり




 中南米は熱いです。

 楽器製作者の友人も近年ふえ、独特の観点と感性で小生も驚かされっぱなしです。
近年イタリアにも中南米のミュージシャンも多く、クレモナでもコンサートに出会う機会が増えました。

 今回はクレモナでも知る人ぞ知るようになってきた”コーロ・ボス・ラティーナ”と”クレモナ・コンソート”のラテンアメリカ・バロックコンサートです。コンサートはサンタッボンディーオ教会でイースター際に向けての公演でした。




 ラテンアメリカは1492年にコロンブスが上陸して以来、スペイン・ポルトガルに300年間支配されたためにヨーロッパのルネッサンス・バロック文化が根強く残っています。現在、クラッシック音楽シーンでもヴィオラ・ダ・ガンバやヴァイオリン、リュートを愛する人が多くヨーロッパ各国で演奏活動や教鞭をとり活躍しているようです。クレモナにもガンバ製作者は数人いますが、みなラテンアメリカの人です。



クレモナのヴィオリスタ・ダ・ガンバのルシアナ
 さてコンサートの内容は、聞き慣れないタイトルをみて期待していたプログラムです。

●有名なドメニコ・ツィポーリ(1688-1726)のオルガンのトッカータ、、チェンバロのサラバンダ、ヴァイオリン・ ソナタ伝統的なイタリアバロック音楽。
 イタリアで生まれた彼はイエズス会の音楽家としてラテンアメリカにヨーロッパ音楽を広めた人です。

●ボリビアのそれぞれ作者不明の3曲


●メキシコのアントニオ・ロペスの”de dolor y pena”(痛みと苦しみ)


●ペルーからHANACPACHAP CUSSICUININはどこかで聴いたことのある懐かしい旋律です。この曲はミュージシャンからのレクチャーによるとラテンアメリカにおいて出版された現存する最古のポリフォニー音楽だそうです。1631年にペルーのリマでケチャ語で書かれました。


 



中央がテノーレ・指揮者のマキシミリヤーノ、右はゲストのソプラノのリナ








合唱、ガンバ、ギター、太鼓などはルネッサンス・バロック音楽の象徴
 そして最後に現代の曲、アルゼンチンの巨匠アリエル・ラミレスのミサ・クリオージャです。
力強くリズミカル、イタリアの教会コンサートでも熱が伝わってきました。
 1964年に作曲されたこの曲はヒスパニック民族音楽にキリスト教の詞を加えたもの、今回のコンサートの指揮者アルゼンチン出身のマキシミリヤーノ・バニョスさんがアンコールでもう一度歌い上げた名曲です。プログラムによると、ナチズムの時代に囚人を助けていたドイツの二人のシスターにささげたものだそうです。






クレモナタイプのガンバはほとんどチェロの形
 実はこのコンサートで使われていたガンバこそ昔同居していたメキシコ出身のカルロス・ピネーダのクレモナ風ヴィオラ・ダ・ガンバです。コンソートのヴィオリスタ・ダ・ガンバ、ルシアナが奏でていました。あまり知られていませんが旧クレモナのアマティ、ストラディヴァリなどのガンバも現存しています。
 同居していた時期にカルロスやアルゼンチンの人とバロック楽器やガンバの話でもりあがっていたのを思い出します。
 そして4本のガンバとヴィオローネでの構成でしたが、実は全ての弓は小生の友人でるマリーイヴの作でした。




 今回のコンサート、実は映像化している様なので出来上がり次第UPしたいとおもっています。この曲、小生は実に気に入っていて、他のグループですがyoutubeにありましたのではさんでおきます。ぜひ聞いてみてください。